コラム

美しい朝のための儀式

一日の始まりを美しく

美しい朝が始まる瞬間

美しい朝が始まる瞬間

朝の過ごし方によってその日がどんな一日になるかほぼ決まってしまうと僕は思っています。バタバタした朝を過ごすとその日一日が何だか慌しくなってしまいますし、朝にゆったりとした気分で過ごすとその日一日はずっとその心地良いリズムのまま過ごすことができます。朝の過ごし方というのは「習慣」ですので、いつも慌しく朝を迎えている人はいつまでたっても穏やかな朝を迎えることはできません。たとえその日が休日だったとしてもお昼くらいまで寝てしまい慌てて目覚めて休日の予定に慌ただしく取り掛かる、というようなことになってしまいます。朝を美しく過ごす習慣を身に付けさえすれば、仕事の日でもお休みの日でも変わらずに快適な一日を過ごすことができるようになるでしょう。素敵な一日を過ごしたいと希う人はまずは朝を美しく過ごすことを心がけ、それが習慣になることを目標にがんばってみましょう。

朝の儀式

朝を美しく整えましょう

朝を美しく整えましょう

「女は食欲、男は睡眠欲」と言われるように、男である僕はいつまでも眠っていたいという欲求を持っています。そのため朝はとても苦手でした。しかし、朝をどのように過ごすかでその日一日のリズムが決まることに気が付いてから、一日を快適に過ごすために、まずは「朝の時間を整えよう」と決心しました。そこで手始めに、目覚めの後のベッドメイキングを美しくやってみようと思いました。ホテルに泊まった時など、きれいに整えられたベットを見ると気持ちが良いですよね。ジェームズ・アイヴォリー監督の『日の名残り』という映画では、アンソニー・ホプキンズ演じる老執事が部下たちにベッドメイキングやテーブルセッティングを美しくやるよう厳しく命じる場面があって、ナイフやフォークがテーブルのふちに対して寸分の狂いもなく並べられる情景を観て、少しくらい曲がっていても食事をする上では大して変わらないだろう、どうせ今夜も同じベットで眠るのだからいくら美しく布団や枕を整えたところでそんなのは無駄だろうと思っていた僕でしたが、ためしにやってみたところ、意外なことに大きな効果があったのです。シーツを整え、枕の形や位置を整えているうちに、何となく自分の心も整えられているような感覚になりました。それがとても心地良く、ただそれを淡々とやることで心がすっきりしてきます。布団を整えるだけではなく、カーテンを開けて窓の両端できれいに縛ったり、朝の掃除を丁寧にすることなども同じ意味を持ちますね。これらを儀式のように毎日やることで朝の時間がとても美しいものに変わります。

朝の散歩

美しい朝日

美しい朝日

「35歳という年齢は、不潔な中年男と素敵な紳士との分岐点である」という話を聞いて、僕はとても焦りました。美しく清らかな紳士になれるように、まずは身体を健康に保とうと思い、早朝散歩をすることにしました。ジョギングでも良かったのですが、走るには技術が必要で、慣れずにやると健康になるどころか逆に脚を傷めてしまうと聞いたため、ウォーキングをすることにしたのです。人一倍面倒くさがりな僕ですから、始めたばかりの頃はそれはそれは苦痛でした。しかし、毎日嫌々ながらでも義務のようにやっているうちに、不思議と精神的な心地良さを感じるようになり、やらなければ逆に気持ちが悪いくらいになってしまったのです。iPhoneに万歩計アプリをインストールし、まだ薄暗いうちに新鮮な空気の中を歩くのはとても心地良いものです。これから目覚めようとする街並みや、昇りたての朝日を見ながら散歩すると、心に付いた脂肪が消えていくようですっきりします。また、その日に予定しているお仕事のことを考えながら散歩をすると、不思議と良いアイディアが浮かんだりします。これも朝の美しさが与えてくれる贈り物のひとつですね。

美しい朝のBGM

朝には静かな音楽がお勧めです

朝には静かな音楽がお勧めです

朝はこれから活動を始めようとする時間ですので、アップテンポで激しいリズムの音楽をBGMにしていらっしゃる方も多いかと思います。しかし、夜寝る前に聴くようなしっとりと落ち着いた音楽が実はとても良く合います。自転車でもいきなり高速で走ることはできないのと同じで、一日を始めるのにも「助走」が必要ですね。そのためには眠りに就くのと同じような感覚から始め、次第にテンションを上げていくほうがスムーズです。「助走」を自然な流れで促してくれるような音楽が良いと思いますので、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』や『ゴルトベルク変奏曲』などのピアノ音楽をお勧めいたします。ピアノの音色が、朝という時間にとても合うと僕は感じていて、また、これらの組曲にはゆったりしたテンポのものから少しアップテンポのものまで混合して入っていますので、この曲集を朝のBGMとして聴くことによって、次第に身体にエンジンがかかってきます。僕は朝ごはんを食べながら聴いたり、朝の散歩をしながら聴いたりして、身体を「助走」させています。

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