自然が作り出した美しさ

目にも美味しい果物
果物のあまりの美しさにうっとりと見入ってしまうことがあります。林檎や苺の赤色、蜜柑の橙色、檸檬の黄色、キウイの緑色など、神様がお創りになった美しさは素晴らしいですね。梶井基次郎作の『檸檬』という小説の主人公は、果物屋の前でその美しさの虜になってしばらく立ち止まってしまいますがその気持ちがよく分かります。スーパーに行っても、青果コーナーは他の売り場の数倍も明るく輝いて見えます。その効果を活かして果物売り場はお店の入り口付近、通行人の目に届きやすい場所に設置されていることが多いですね。キラキラした果物の美しさに思わず足を止め、店内に引き寄せられてしまうという仕掛けです。
果物の色の効果

美しいビタミンカラー
果物の色はこれまで、その種子を運んでくれる動物の目を惹きつけるための視覚的な面で語られることがほとんどでしたが、最近の色素成分の研究によって、色そのものが人間の健康促進に役立つということが分かってきました。特に柑橘系の果物に見られるオレンジ色は「ビタミンカラー」と呼ばれていて、健康と結び付いていることがイメージできますね。実際にみかんの果肉に含まれている「ベータ・クリプトキサンチン」という色素には、ベータカロチンの5倍もガンを抑制する効果があるそうで、特に日本のみかんには、外国産オレンジの100倍の「ベータ・クリプトキサンチン」が含まれているそうです。他にも、苺や林檎の赤、レモンの黄色、キウイの緑色などにそれぞれの効能が発見されています。こんなに美しいものを身体に取り入れるのですから、健康に良くないはずがありませんね。
美しい置き物

置いておくだけで絵になる果物
果物を買ってきてしばらくの間、食べずにテーブルの上に置いておくとそれだけで良い気分になるので不思議です。まるできれいなお花を飾るように、テーブルの上を華やかにしてくれますね。また、果物はとても良い香りがしますので、僕は玄関に置いたりピアノの上に飾ったりしています。天然の芳香剤となって空間を素敵に演出してくれます。美しい色彩を視覚で楽しむことができますし、素敵な香りを嗅覚で味わうこともできます。静物画のモチーフとして使われる機会も多いことから、果物はまさに「絵になる」ということが分かりますね。食べるまでの間、「自然が創り出した美しい置き物」として楽しんでみてはいかがでしょうか。
お菓子を飾る果物

魔法の絵の具のような果物
果物はお菓子を華やかに飾ります。僕はシンプルなショートケーキが好きなのですが、雪が積もった朝のような真っ白な生クリームの上に、ひとつ置かれた苺がとても美しく、食べずにしばらくの間眺めます。まるでお花畑のように何種類もの果物で彩られたお菓子もありますね。果物の色彩は魔法の絵の具のようです。果物をお菓子に飾る時には、味はもちろんですが、その色彩も重要なポイントになりますね。人気のタルト屋さん「キル フェ ボン」では、果物の色彩に溢れた彩り豊かなタルトが売られています。タルト生地をキャンバスにした果物によるカラフルなデコレーションがとても美しいですね。
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